「火天の城」
本屋をぶらぶらしていると、ふと気になって本を買ってしまうことがある。今日、読み終わった「火天の城」もそんな1冊。作者の山本兼一は昨年の直木賞受賞者。本作は、松本清張賞受賞作。ということが気になったのではなく、安土城築城を棟梁の視点から描いた、という部分に興味が湧いたのだ。安土城といえば、奇抜な城、今はなき城、という印象しかないのだけど、この小説では城を建てる技術も丁寧に描写されていて面白い。同時に、権力者=織田信長と城の関係も。少し前に読んだ、「巨大建築という欲望」を思い出したりもした。今はない、ということもふくめて、やはり人間は「バベルの塔」を建ててしまうのだろうか。面白い小説でした。と思ったら、すでに映画が製作中のようで、この秋、公開の模様。秋には何本か時代劇があって、相乗効果になればいいけど、共倒れ、なんてことにならないで欲しいなあ。
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