2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2009/4/15 水曜日

tears in rain

tears in rain・・・というのは『ブレード・ランナー』の名セリフなわけですが、Blu-ray Diskを買って見ました。オーディオマニアでもないので、DVDと比較してどうのこうの、というわけではないのですが、やはり気になって、ファイナルカットバージョンのDVDを頭だけ再生した後、Blu-rayを再生。冒頭の近未来(気付けば設定上は10年後か・・・)のロサンジェルスの光景の明らかな違いに驚く。その後気付いたのは、映像に奥行きが感じられた点と目が印象に残る。確かに違いはあるのだけど、他の映画をやはりわざわざ買い換えるほどとも思っていない。

それにしても、こうして映画を「買える」というのは、ビデオが出始めた時を知っている世代としては隔世の感がある。前にも書いたかもしれないが、家庭用にビデオデッキが普及し始めた頃、アメリカで発売された『ブレードランナー』のビデオを輸入している会社の広告が映画雑誌に載っていた。確かその頃、10万円ぐらいしたはずだ。それでも、「もう一度『ブレードランナー』を見たい!」と思っていた僕は、羨望の眼差しで広告を眺めていた。多分、非合法だと思うのだが(いや、まだ法律が未整備だったのだとも思うけど)テープにダビングしてくれるとも書いてあって、それだけでも1万円ぐらいしたのだ。しばらくして、ビデオレンタル店がぽつぽつ出来るようになって、レンタル店でもダビングサービスをしたりしていた。今から考えると2000円ぐらいはしたと思うけど、ワクワクして『ブレードランナー』をダビングしてもらった。その時の感激は今でもはっきり覚えている。レーザーディスクは残念ながら持っていなかったので、LDは買わなかったが(LDも高かったですね)、その後、廉価版が出たビデオは買った。それから、DVDを買って、Blu-rayを買っているわけですが、いつも1枚目は『ブレード・ランナー』だと思う。今見るとテープにカビが生えてるんじゃないかと思うけど、最初にダビングしてもらったテープはまだあるはずだ。昨年、実家の整理をした時に確かにあった。こういう高画質の映像を見れるのはいい時代なのかもしれないけど、なぜだか寂しい気がしなくもない。

さて、tears in rainはBlu-rayになっても「涙のように 雨のように」という字幕ですが「雨の中の 涙のように」という詩的な字幕にしてもらいたかった。俄然読みやすくなった字幕ですが、ビデオテープ時代から字幕は変わらず。それはちと残念。・・・と雨の日に思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:03:23

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