『長江にいきる』
明日までの公開ということで『長江にいきる』というドキュメンタリー映画を見てきた。試写会も含め見るチャンスはいくらでもあったはずなのだが、今日になってしまった。もっとも、僕は前回の山形国際ドキュメンタリー映画祭で見ているし、映画祭で何十本とドキュメンタリー映画を見た中で、一番よかった作品だ。その時にも、この映画は劇場公開されるべきだ、と強く思っていたので、こうして公開されて多くの方が見ていることが素直に嬉しい。再度、今日、見てやはりいい作品だとあらためて思う。中国の巨大なダム、三峡ダムでは水没地から移住する人は100万人ともいわれ、そのスケールたるや想像がつかない。監督のフォン・イェンさんは前作『長江の夢』では、一人のおばあさんに、今作ではビン・アイという女性に寄り添いながら描く。その距離感が僕は好きだ。被写体と親密な関係を築いて撮影していることはよく分かるが、決してその関係に甘えているわけではない。強制移住に伴う、悲喜こもごもを実に丁寧に描き出している。
・・・という、素晴らしい映画であるのは間違いない。が、何が原因なのか(僕が原因なのか)よく分からないのですが、ある事情により終始画面に集中できませんでした。返す返す残念。もっとも、そんな風に思ったのは僕だけのようなので、詳しくは書きません。でも、本当にそうなのでしょうか。謎だ。
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