劇団大樹公演「ひめごと」
今日は午後から劇団大樹の公演「ひめごと」に行ってきた。劇団大樹は『船、山にのぼる』でナレーションをお願いした、川野誠一さんが主宰している劇団。僕は別の場所で川野さんとお会いすることがあって、ナレーションをお願いした。
本題に入る前に、僕はあまり演劇を見ていない。学生時代は、ぶっ壊れた演劇をちょこちょこ見ていた。その後は、ほんとにぽつぽつだ。だからあんまり演劇には詳しくない。
今日行った劇場は、小さな劇場だけど、舞台にどんと柿木があったり、落ち葉が敷き詰められていたり、25弦の琴が生演奏で付いていたり、とても贅沢な空間が出来上がっていた。芝居は基本的にちょっとレトロな感じもする、畳の部屋で進む。見始めてしばらくして、柱の立て方や廊下の使い方などが、能舞台っぽいなあ、と思っていたら、パンフレットに川野さんがそう書かれていました。(僕は映画でも何でも、見る前にパンフレットなどは基本的に読まないようにしているので。)ストーリーはざっくり書くと、母と娘の、そして娘の出自に関わる話。もう、こういう話は女優の存在感がものを言うのだろう。やりすぎでもいやらしくなるし、すっと伝わるためには、凛とした佇まいもなければいけない。アンサンブルも重要だろうし。その辺がとてもいい感じで、話にすぐ入り込めました。男優二人、川野さん、納谷六郎さんも、一歩間違えばいやらしくなるところを、ちょっと抑えた芝居で全体を品があるものにしていたように思う。タイトルに「ひめごと」とあるように、徐々に母親の秘密が明らかになってくる。ふっと個人的にいろんなことを考えていた・・。
やっぱり生の演劇には独特の密度がありますね。その点、映画っていうのは劇映画にしろドキュメンタリー映画にしろアニメにしろ、ただの白い布に映った影を見ているだけだから、基本的には変人が好むものですね、多分。
そんなこともふと思ったりしました。
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