『おいしいコーヒーの真実』『ビューティフル・ルーザーズ』
今日・水曜日はUPLINKの入場料金が1000円なので、『船、山にのぼる』の入場者がどうか気になったので、劇場に行ってみた。受付で聞くと、まあ、悪くは無い入場者数だったのでほっとする。映画が終わるのを待っていると、知人が2人見に来てくれていたのでありがたかった。こういうこともあるから、たまには劇場に顔を出さないとねえ。
で、その後に上映される『おいしいコーヒーの真実』をやっと見た。6月末に公開されて、大ヒットと聞いていた。やはり今は、食とか環境とかに多くの人が関心を持っているのだろう。最近、そういうドキュメンタリーが立て続けにヒットしている。このドキュメンタリーは、簡単に言うとグローバル経済の中で、コーヒー豆の生産地(この映画ではエチオピア)の農民は困窮し、多国籍企業はますます栄えている姿を描いたもの。僕は、内容は興味深く見ていたのだけど、半分ぐらいまで先進国の様子とエチオピアの対比、交互に描く構成に少し違和感を持っていた。分かり易い描き方なのだけど、ちょっと効率が良すぎるなあ、と思っていたのだ。けど、真ん中辺りからエチオピアの現実に重きをおいて描き出す辺りから面白くなった。
それから今日はもう1本ドキュメンタリーを見た。ちょうど時間が合ったのだ。見たのは『ビューティフル・ルーザーズ』。こちらも簡単に内容を説明すると、90年代初頭、アメリカのストリートから生まれたアートの歴史(というには短く近いけど)を紹介するもの。見る前に大勢のアーティストのインタビューが出てくることが分かったので、ちょっと警戒(つまらなかったらどうしよう)と思っていたけど、杞憂に終わり面白かった。監督自身が伝説的なギャラリーをやっていた人だけあって、アートシーンの描き方が内在的なのだ。ただ見ながら思っていたのは、なんとなく「過去形」に感じたのは気のせいだろうか。もっとも、僕は出てくるアートはそれほど好きな部類ではない。もっと気になっていたのは、こうしたアートが日本に紹介されて、日本でもスタイルを真似したようなものもあったけど、どうも借り物感がしていること。(その辺は音楽で言えば日本のヒップ・ホップも近いかもしれない。)じゃあ、日本のストリート、あるいはユースカルチャーからどんなアートが生まれたのだろう、ということ。僕が思うに、アメリカと日本では文化土壌が違うので、日本の場合はストリートからはアートが生まれにくいのかなあ、と思った。同時代的には、日本の場合は外に向くのではなく、内に向いて(引きこもりアート?)アートや他のジャンルで表現があったような気がする。あまりにも浅薄な感想ですが。そんなことは置いておいて、悪ガキから生まれたアートシーンを知るにはいいドキュメンタリーだと思った。
今週は映画ばかり見る週間です。
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