ヒナタノオト/『靖国』/名古屋公開決定!/大阪最終日
今後の上映で行くことになる場所の電車の切符と飛行機のチケットをとる。
その後、上映・スタンプラリーでお世話になった、ヒナタノオトへ。前売り券も売ってくださったので精算。高橋朝子さんの作品展をやっていたので、しばし鑑賞・談笑。ご本人もおられた。聞けば、札幌在住とかで、シアターキノでの上映を見ていただければありがたいなあ、と虫のいい話をする。
さらにその後は渋谷に出て、やっと『靖国』を見る。この間の騒動についてはまたあらためてどこかで書きたい。もう混んでないかな、と思ってたら混んでました。映画館の前には警察が常駐している。相変わらず、ぴりぴりした雰囲気。
前にも書いたけど、監督の李さんとは以前一緒に仕事をしていたことがある。彼らが会社を作った時も知っている。彼の映画もだいたい見てきた。で、映画の感想。思っていた以上によかったし、力作だと思う。誤解を恐れずに言えば、僕は李さんの今までの映画はあまり好きではなかった。スタイリッシュなのはよく分かるのだけど、どこかかっこつけてる感じも持っていたのだ。だが、今作は、描かれた題材のせいもあって、スタイリッシュになりきれない、はみ出した部分が多々あり、そこがいいと思った。ただ、僕は冒頭とラストの音楽は重々しすぎて好きになれない。また、刀匠のシーンは重要なシーンになっているのだけど、想像するに、かなりあとに撮影されたのではないだろうか。騒々しい靖国神社の光景とうまく噛み合っていない、と僕は思う。ご神体の部分でつながっているように見せながら、どうもしっくりこない、という印象を持った。もっとも、監督の問いを誤解してテープをかけるシーンはドキュメンタリー映画ならではの出色のシーンとなっている。僕は靖国神社のシーンを見ながら、監督が「なんで?」と問いを発しているように思えた。「英霊よ、静かに眠ってください」と言いながら、騒々しい8月15日。復古的な軍国主義を批判するというより、なぜ、静かに祈れないのか、そう、問うているように思えたのだ。僕が最近思っているのは、日本がかつて戦争に負けたことを認めたくない人が多いのではないか、ということだったりするのだけど、8月15日のシーンにそんなことも思ったりする。それにしても、なんでこんなに品がないのだろう。多分、靖国神社が重要だと思っている人ほどそのことに気付かされるのではないだろうか。そんないくつものシーンを李さんは揶揄したり茶化して撮ってはいない。(意地悪い監督ならそうするだろう。)この映画にあるのは、なぜ、日本人はこういう精神構造をしているのだろう、という問いかけだ。
映画を見終わって携帯を見てみたら、留守電が。電話をかけたところ、シネマスコーレの木全さんからだった。以前から話があったのだけど、名古屋の公開が決まりました。7月19日(土)~25日(金)のモーニングショー。6月から7月にかけて、上映がけっこう決まった。ありがたい。
こんなことを書きながら、ちょうど、大阪での上映が終わろうとしている。長いようで短い3週間でした。シネンーヴォの景山さんはじめスタッフの方々、お世話になりました。非力な点もあったかと思いますが、感謝の気持ちで一杯です。
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