『プッチーニに挑む 岡村喬生のオペラ人生』/『立入禁止区域・双葉』
試写で「プッチーニに挑む 岡村喬生のオペラ人生」(監督:飯塚俊男)を見る。プッチーニの「蝶々夫人」における日本誤解を本場イタリアで正そうと奮闘するドキュメンタリー。その情熱にまずは圧倒される。その上でねじくれた文化について考えていた。 昔、学生時代、サミュエル・フラーなどの映画を国辱映画祭となうって上映していた。そうした映画の原点には、「蝶々夫人」があるんだろうな。もう一つ、クローネンバーグの「Mバタフライ」のことも頭をよぎっていた。声楽家の知り合いも多いので、お勧めしておこう。
その後、明日は試写の初回ではあるのだが、どうも落ち着かないのでもう1本映画を見ることにした。見たのは『立入禁止区域・双葉~されど我が故郷~』(監督:佐藤武光)http://www.imagesatellite.sakura.ne.jp/futaba.html というドキュメンタリー映画。タイトルからも分かるように、原発事故後、立入禁止区域になってしまった双葉郡の各地や避難者が避難した地域を、同地出身の監督がレポートする映画。あえてレポート、という言葉を使ったのだが、監督がマイクを持って各地に突撃取材よろしくつっこんでいく様が、どこか昔のテレビレポートのような趣を感じたからだ。(音楽もそんな感じがする。)同時に、編集が少し雑で、撮影日と地域がかなり速く切り替わるので、正直、所々ついていけなくなる。こう書くとなんだか良くない映画のように聞こえるかもしれないが、僕は嫌いになれない。なぜなら、監督がどうしてもこの姿を、この状況を伝えたいんだ、という熱い思いがほとばしるように伝わってくるからだ。いくつもの被災地で撮られた映画を見てきたが、その情熱は一番かも知れない。
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