『オバアは喜劇の女王』
今日は、昼間、大掃除の続きをして、夜、『オバアは喜劇の女王』(監督:出馬康成)というドキュメンタリー映画を見に行った。この作品は、沖縄で「喜劇の女王」と呼ばれている、仲田幸子さんのドキュメンタリー。僕は本作にも少し登場している、写真家の石川真生さんの写真集で仲田さんのことを知ったのだが、沖縄では超有名人らしき仲田さんの芝居を見たことがなく、正直、その魅力は分からなかった。本作を見て、その謎が少し解けた。冒頭、長々と芝居の一場面が映されるのだが、腹を抱えて笑ってしまった。いやー、すごい。もっとも、仲田さんの芝居は沖縄の方言でやるので僕など何を言っているかさっぱり分からない。字幕が付いているので内容は理解できたのだが。実はこうした沖縄方言は沖縄では若い世代でも分からないらしい。(ガレッジセールのゴリがそうしたことを語っている。)映画は多くの人のインタビューから仲田幸子の魅力を浮かび上がらせている。今や孫も劇団員で仲田一族、のような雰囲気だ。芝居の作り方で驚いたのは、台本がなく全て仲田幸子からの口頭だということ。方言の微妙なニュアンスはこうした方法でないと伝わらないのかもしれない。よく常套句で「笑いと涙があり」なんて言うが、芝居の断片を見た感じからまさに「笑いと涙」の芝居なんだろうなあ、と思った。映画を見始めた時は、少々ルーズな撮影に、どうしたものか、と思っていたのだが、見終わってみると、あまりかちっとした撮影では逆に魅力をそいだかも、とも思った。だからこれでよかったのかもしれない。とにかく、久しぶりに元気が出るドキュメンタリー映画だった。昨日から今日にかけて、沖縄ではバカな役人が醜いことをやっているが、そういう役人こそこの映画を見た方がいい。
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