2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2011/12/28 水曜日

大掃除/『3.11日常』

今日は自宅の大掃除。とは言うものの、現実的には大片づけ。今日はとにかく机周りを片づける。毎年のことだが、意味もなくため込んだ映画のチラシをガンガン捨てていく。そうしていると、見ていないドキュメンタリー映画もいっぱいあることに気づく。近年はドキュメンタリー映画の公開本数が多くて、はなから諦めているのもあるのだが、優先順位としては海外のドキュメンタリー映画よりも、日本のドキュメンタリー映画を見ることが多い。かと言って、ハリウッド大作も見ているので、まぁ、見てないドキュメンタリーが増えてしまうのだった。ふと、自分の新作が多くの人にとって見なかった映画になる恐怖を感じた。今日の片づけはここまで。

上に書いたようなことを思ったからではないのだが、どうしたわけかこの年末、公開期間が短いドキュメンタリー映画が何本も公開されていて、いったい何が起きたのか、と思うような状態。で、今日は『3.11日常』http://www.311everydayliving.com/(監督:わたなべりんたろう)を見た。僕が特に気になっていたのは、わたなべ監督が自らクラウドファンディング(ネットで資金を募る方法)で製作資金を調達して作っていたことだった。僕みたいにインディペンデントでやっている者にとってこうしたやり方は参考になる。さて、映画の方は基本的にインタビュー映画。一番出てくるのは小出裕章さん。わたなべ監督の質問・感想が1枚テロップで出るのだが、僕はどうもそのリズム感に乗れなかった。特に前半は、字幕が饒舌で、小出さんの話をもっと聞きたい、という欲求不満が残った。他に女優の水野美紀さんソウル・フラワー・ユニオンの中川敬さん、高橋健太郎さん、19才~22才のハンストを行った若者たちが出演。そこに所々、小出さんの話が串刺しになっている。各々の話はとても興味深かったのだが、全体の束ね方が少し弱い気がした。各々の話がもう少し絡んでくると、違った光景が見えたかもしれない。それにしても、短期間で編集して公開までもっていったわたなべ監督のパワーには感心する。ただ、年末の1週間だけの公開、というのはちょっと残念な気がする。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:32:19

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