「モダン・アート、アメリカン」展
今日は久しぶりに展覧会を見た。「モダン・アート、アメリカン」という展覧会。僕はそんなに美術史に詳しくないので、20世紀初頭のアメリカ美術、と聞いてもあまりぴんとこなかったのだが、エドワード・ホッパーの絵が展示されることを知って、どうしても見たくなったのだ。最近、無性にホッパーが気になっている。展示の最初の方に展示されていたリアリズム作品はアメリカの大自然を多く描いていた。その後、ヨーロッパの印象派の影響を受けた作品群は、技法だけでなく貴族的な雰囲気までアメリカに見出しているのは、発見だった。が、どうもこのあたりは、どこか借り物めいた気がしなくもない。と同時に、絵画が描く世界が白人のものであることも気になっていたが、別の部分で移民・他民族の作家も紹介されていた。(その中には岡山出身の国吉靖雄も含まれる。)僕が面白かったのは、やはり第二次世界大戦前後、アメリカの都市を描いた作品群だった。残念ながらホッパーの絵は2点だけだったが、「都会に近づく」という作品のどこか吸い込まれるような不気味さが強烈に感じた。その後、抽象絵画で世界の潮流をリードすることにもなるようだが、今回の展示作の中ではずば抜けて印象に残る作品は、僕にとってはそれほどなかった。
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