2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2011/11/8 火曜日

ドキュメンタリー映画を劇場公開すること

今日、昼間、あるドキュメンタリー映画のDVDを見ていた。また、別のドキュメンタリー映画の劇場公開についてある人に相談に乗ってもらっていた。そして、夜は、上映について会議に参加していた。なんだか一日中、ドキュメンタリー映画の劇場公開について考えていたような気がする。映画館で普通にドキュメンタリー映画が公開されるようになって、もう随分経つ。僕が映画を作り始めたころには映画館で公開されるドキュメンタリー映画なんてほとんどなかったことを思えば随分いい時代になった、のかもしれない。が、映画館で映画を公開することは「興業」になるわけで、1本の映画を観客に届けるには、時間も労力も、そしてお金もかかる。ある映画監督は映画を作ることと同じくらい大変だ、と言っていた。それでも映画を公開するのは、まだ見ぬ観客と出会いたいからでもある。一方、どんなドキュメンタリー映画でも映画館で公開できるわけではなく、様々な理由から公開が難しい、あるいは大変な映画もまた存在する。製作者の思いだけではどうにもならず、映画をかけてくれる映画館の判断も当然ある。そこをどう突破するのか、には正解がない。同時に、時間も労力もお金も使って公開してみたところで、本当に観客が足を運んでくれるのか、その保証はどこにもない。本来はこうした部分を担うのがプロデューサーなのだろうが、自主制作のドキュメンタリー映画の場合、明確なプロデューサーがおらず、監督自らが抱え込むことも多い。僕はどんなドキュメンタリー映画であっても、それが「映画」として作られたのなら映画館で見てみたいと思う単純な人間だが、映画館で公開する大変さもそれなりに分かっているつもりなので、絶対公開した方がいい、とは必ずしも言わない。でも、少しでも多くの人に届けたいことがあるなら挑戦してほしいとも思う。・・・少なくとも自分はまた挑戦しなければ、と思う。

未分類 — text by 本田孝義 @ 0:09:58

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