幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷 展/第3回恵比寿映像祭
全然気づいていなかったのだが、INAXギャラリーで「幕末の探検家 松浦武四郎と一畳敷 展」というのをやっていて、明日が会期末と知って急に見たくなった。特に興味をひかれたのは”一畳敷”という建物のことだった。松浦武四郎という人のことも全く知らなかった。彼は幕末には蝦夷地を探検していて、アイヌ民族の様々な民俗を絵と文章で克明に記録している。同時に、北海道(この命名も彼だそうだ)の詳細な地図も残している。これらも展示されていた。一畳敷は文字通り一畳の書斎。展覧会ではさすがに実物の展示はないが(国際基督教大学に実物があるらしいのでぜひ見てみたい)写真パネルで立体的に再現されていた。この建築部材がふるっていて、有名な社寺仏閣の古材を集めて建てたそうだ。興味深い展覧会だった。
続いて東京都写真美術館に行って、第3回恵比寿映像祭 を見てきた。上映会も多数あるのだが、今日のところは展示映像のみを見た。作品数が多いので、個別の感想は省略。今年は”デイドリーム・ビリーバー”というテーマ(なぜこのテーマなのかは今一つ分からないのだけど)ということもあって、意識を拡張するような作品が多かった。一つ気づくのは、他の展覧会でもそうなのだが、最近、ハイビジョン作品が飛躍的に増えていて、大きな画面にとてもきれいな映像が映されていることが多くなった。確かに見ためは美しいのだが、同時に何かが失われているような気がしなくもない。それが何なのかは、まだ分からないのだけど。一つ印象に残った作家を書くと、最後に見たハルン・ファロッキの作品だった。戦闘の訓練にも、精神的に傷ついた兵士のケアにもバーチャルな映像が使われている様子を4面スクリーン(正確には2つの作品を直角に配して投影)で見せている。しばらく映像を見ながら背筋が寒くなった。映像を見てこんなに気味が悪くなったのは久しぶりだった。
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