2008年春、渋谷ユーロスペースにてレイトショーされる
映画『船、山にのぼる」の監督・本田孝義のブログです。

本田孝義

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2011/1/5 水曜日

『クルード』

今日はUPLINKで開催中の”リアル未公開映画祭”で『クルード~アマゾンの原油流出パニック~』(監督:ジョー・バリンジャー)を見た。ジョー・バリンジャーの『メタリカ 真実の瞬間』はとても好きな作品なので気になっていたのだ。映画はエクアドルのアマゾン川流域でアメリカの石油企業エクソン(その後、シェブロン)が投棄した廃棄物のせいで起きている健康被害を追いかけたもの。映画を見ながら、ふと、水俣のことを思い出していた。もっとも、映画自体は住民らが起こした裁判を中心に進み、その中でも原告の弁護士(アメリカ人とエクアドル人)の獅子奮迅の活躍を、やや英雄的にテンポよく描き出している。後半になるにつれ、劇的なことが次々に起きるのは爽快ではある。もっとも、僕個人の好みとしては、もっとじっくりした作品のほうが好きではある。映画を見ながら、ふと、『科学者として』を作っていた時のことを思い出していた。こうした被害のある・なしをめぐって科学的論争が起きている時、どういうスタンスを取るにせよ、相手の言い分もじっくり検討しておかないと墓穴を掘ることになる。僕の場合も裁判資料と格闘したものだった。映画には現れなくても、地道な作業が裏にはある。(多分、本作でも。)

未分類 — text by 本田孝義 @ 23:49:57

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