『ロビン・フッド』
諸々の予定がくるって時間が出来たので、『ロビン・フッド』を見た。監督・リドリー・スコット。本作は伝説上の義賊とされているロビン・フッドの「誕生譚」とも言うべき映画で、同時に巧妙に12世紀のイギリスの歴史・実在の人物を絡めて描いた作品。と同時に、リドリー・スコットファンの方々にとっては、『キングダム・オブ・ヘブン』の続編的性格も持っている。ロビン・フッド役はすでにリドリー・スコットと4度目コンビとなるラッセル・クロウ。予告編のイメージだとまるで『グラディエイター』。通常のレベルで考えれば十分面白い作品だった。けど、いわゆるリドリー・スコット印とも言うべき凝った照明・撮影などは今回かなり抑え目で、その辺は少し不満。もっとも、映画を見ながら、なんとなくリドリー・スコットが今までの歴史もの(本作が5本目となる)から比べると、どことなくリラックスして撮っている雰囲気も感じた。どうしてなのだろう、とつらつら考えていたら、もしかすると、イギリス出身のスコットではあるが、僕の記憶に間違いがなければ、イギリスを舞台にした作品(実際に撮影した場所ではなく、作品の舞台として)は実は今作が初めてではないか、ということに気付いた。そんなことも、少しは影響したのかも、と思った。『エイリアン』以後、すっかりハリウッド映画の監督というイメージが一般的かもしれないが、僕の中ではどこまでいってもイギリスの監督なのだ。それにしても、リドリー・スコットはすでに73歳。現在、『エイリアン5』の準備中だからこれまた楽しみ。
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