ニコラ・フィリベール/チラシ
今日はサボろうと決めていた。(最近、さぼってばっかり、という気もしなくはない。)
午前中から映画を見に行った。見たのはニコラ・フィリベール特集。あさってで終わってしまうから・・。チラシがなくなっていたので、また置かせてもらった。どうも、銀座テアトルはよくはけたよう。今日も、僕の座席の斜め前の人が一生懸命読んでくれていた。(こういうささやかなことが気になるのです。)
ニコラ・フィリベールと言えば、93年の山形映画祭で『音のない世界で』が上映され、テレビの取材で行っていた私は少しだけ本人にお会いしたことがある。彼の映画と同じようにとても紳士的な方だった印象がある。
まず、見たのは『行け、ラペビー』という、ツールド・フランスの元チャンピオンを撮った短編ドキュメンタリー。自転車をこぐアップを撮ったシーンが美しい。他の作品もそうだけど、彼の映画には必ず美しいシーンがある。映画を見ながら、そういえば最近の日本のドキュメンタリー映画には美しいシーンが少ないなあ、とふと思った。
次に見たのが『動物、動物たち』という1994年の作品。これは傑作だった。彼は『パリ・ルーブル美術館の秘密』という傑作を作っているけど、こちらはフランス国立自然史博物館の改修・再開が描かれる。裏方で働く人達を見つめることで、博物館の面白さが分かってくる。多くの剥製を撮った映像が美しい。
そして3本目が新作の『かつて、ノルマンディーで』。いい映画なのだけど、いくつかの疑問を持ってしまった。構造としては、30年前に作られた素人(村人)が演じた、実際にあった昔の殺人事件を描いた映画と現在の村人をめぐる話。実は結構、入り組んだ構造なのだ。すーっと見ているとスーッと見れてしまうのは、ニコラ・フィリベールらしく、僕も最初はとても幸福な気がしていた。だけれど、半分を過ぎた辺りから、複雑な構造がハーモニーを奏でていないように感じてきたのだ。どこが、というのはとても微妙だ。もしかすると、今までにない、監督本人の姿が、なのかもしれない。
それにしても、1000円の日だからと言っても、満員というのは、いろんなことを思った。(映画を見ていても、つい自分の宣伝のことが頭をかすめることがあって不健全な状態。)
さぼったせいで、チラシの校正が遅れてしまった。あさってには、印刷所に入れないと・・・。
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